[A]急停止などで車両に大きな衝撃が加わったとき、その前後十数秒間の前方映像と音声を記録する車載機器のことです。
- 車両に衝撃が加わると前後十数秒間の映像や音声を自動記録する。
- GPS受信機能があるものは、時刻や位置データも記録し事故の原因究明に役立つ。
- ドライバーの特性を把握でき、運転技術と安全意識の向上につながる。
どんな機能を搭載しているの?
ドライブレコーダーとは、衝突や急停止などで車両に大きな衝撃が加わったとき、その前後十数秒間の、車両の前方映像と音声を記録する車載機器のことです。(一社)ドライブレコーダー協議会によると航空機のフライトデータをヒントに、2005年ごろから普及が始まりました。時刻、位置、加速度などを記録できる機種が一般的で、ドライブレコーダーが記録した映像を見直すことでドライバーがどのような運転操作を行ったのかが分かり、交通事故の詳細な状況を容易かつ客観的に分析できます。
ドライブレコーダーは主にカメラと本体(記録装置)で構成されています。形状はカメラと本体が一体化している「カメラ一体型」が主流といえますが、カメラと本体が分かれている「カメラ分離型」もあります。取り付け方法は機種によって異なります。フロントガラスに吸盤で取り付けるタイプ、カメラのみをダッシュボードに固定するタイプ、ルームミラーに取り付けるタイプなどがあり、用途に応じて選べます。
時刻や位置などのデータは、人工衛星の電波を受信することで取得します。これを「GPS受信機能」といい、事故が発生した場所の特定にも役立ちます。
事故や急停止などによって引き起こされた車両への衝撃は、「Gセンサー」(加速度センサー/加速度計)で感知します。一般的なドライブレコーダーは常に数十秒から数分の動画を連続して記録し、内蔵メモリーの容量がいっぱいになると古い映像を消しながら新しい映像を記録しています。車両への衝撃を感知すると、その瞬間の前後の映像をSDカードなどのメモリーカードへ自動的に移動させ、映像が消えないように保存します。
クルマに取り付けるメリットは?
ドライブレコーダーは、さまざまな用途で利用されます。事故発生時の映像を記録できることから、映像を警察や保険会社に提出することで事故の参考資料として採用され、事故処理がスムーズに運ぶこともあります。
また、記録された映像をドライバーが見ることで、自身の運転技術を冷静に振り返れます。いわゆる「ヒヤリ・ハット」(事故には至らなかったものの、事故に直結したかもしれない状況)など、ドライバーの事故をおこしやすい状況を把握し、その反省を生かすことで安全運転への意識を高めます。ドライブレコーダー搭載車のドライバーは、常に撮られていることを意識するので、危険の少ない運転を心がける心理的な効果もあると考えられています。
「安全運転支援機能」などの付加機能を備え、より安全な走行をサポートする機種もあります。前を走る車両と衝突(追突)するリスクを検出したときに警報を発する「前方衝突警戒」、高速道路走行中に車線を逸脱しそうになったときに警報を発する「車線逸脱警戒」、信号待ちや渋滞などで前車が発進したことを知らせる「前車発進お知らせ」などが、その代表的な機能です。リアカメラと連動して、後退時の後方確認ができるモデルもあります。こういった機能があれば、運転の負担も軽減されるでしょう。
エンジンをかけていない状態でもドライブレコーダーにバッテリーが内蔵されているタイプであれば、振動や動くものを感知して映像記録を開始する機種もあります。駐車中に車体へ加わった力を感知して録画をはじめます。こういった機能があれば保管時の安心感が高まるでしょう。
多くのドライブレコーダーは走行中の映像を任意のタイミングで記録できるため、ドライブ中の車外の景色を保存しておくことが可能です。パソコンなどを使えば、「旅の思い出記録」としても楽しめます。
2022年06月現在