[Q]ステアリングの構造について知りたい

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[A]ステアリングの構造は大きく分けて2種類あり、パワーステアリングの方法も数種類あります。

  • ラック&ピニオン式は、構造が簡単で操舵時の応答性に優れる。
  • ボールナット式は軽く滑らかな操舵が可能で、大型トラックなどが適している。
  • パワーステアリングは、油圧式や電動式などがあり、現在は電動式が主流。

ステアリングシステムは大きく分けて2種類

ステアリングは、走行中にクルマの向きを変えるための重要なシステムです。その構造は大きく分けて2種類あります。

ひとつはラック&ピニオン式と呼ばれるもので、ステアリングシャフトの先端にピニオンギアを取り付け、それをシャフトに刻まれたラック(歯)と噛み合わせることで、横方向の動きに変換するものです。構造が簡単なため、軽量なシステムを作り出すことが可能で、応答性にも優れています。

一方で操舵が重く、路面からのショックも伝わりやすいので、昔はスポーツカーなどの採用に留まっていました。しかしパワーステアリングの導入をはじめとする技術革新のおかげで、現在は多くの車種がこのメカニズムを使っています。

もうひとつは、ボールナット式と呼ばれるシステムです。こちらは、ステアリングの先端がウォームシャフト(ねじ軸)になっていて、ボールベアリングを内蔵したボールナット(ボールねじ)という部品が組み合わせてあります。シャフトが回転するとボールベアリングを介してボールナットが回り、噛み合っているセクター(扇型歯車)を動かして、前輪の向きを変えるというものです。そのためリサーキュレーティングボール式、ウォーム&セクター式という呼び名もあります。

間にボールベアリングが入っているので、軽くスムーズに動かすことができるうえに、多くの部品を使っているので部品の間に「遊び」ができ、タイヤからのショックを和らげてくれるという優位点もあります。

しかしラック&ピニオン式と比べるとパーツ数が多く、構造が複雑になるデメリットがあるので、大きな操作力を必要とする大型トラック、路面からの衝撃が大きくなるオフロード向けSUVなどのステアリング形式に適しています。

パワーステアリングにも種類がある

ちなみに、現在の多くのクルマにはパワーステアリングという、軽い力でステアリングを回すことができるシステムが搭載されています。操作をする際のアシストは、油圧式、電動油圧式、電動式などがあります。

油圧式は、エンジン駆動のオイルポンプで発生した油圧で操舵をアシストするもので、電動油圧式はオイルポンプを電動としたタイプ。そして電動式はモーターで直接アシストする方式です。電動化によってエンジンの負担が抑えられ、環境性能が向上するというメリットがあります。

昔の電動式はアシストの感触が不自然、操舵感が希薄などの欠点がありましたが、改良が進んだ結果、現在は多くの車種が電動式を採用しています。

ステアリングの構造

2025年07月現在

 

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