[A]クルマのカタログに記載されているエンジン型式は、主に燃焼形態とシリンダーの配置、カムシャフト形式の違いによって分類されています。
- 形式は主に、燃焼形態、シリンダーの配置、カムシャフト形式で分類。
- シリンダーの配置による分類には、直列、水平対向、V型などがある。
- 現在の主流は、ピストンの往復運動を駆動力に変えるレシプロエンジン。
クルマのカタログに記載されているエンジン型式は、主に燃焼形態とシリンダーの配置、カムシャフト形式の違いによって分類されています。
エンジンの形態は現在、シリンダー内でのピストンの往復運動を駆動力に変換するレシプロエンジンが主流です。以前は内部でローターが回転することで動力を取り出すロータリーエンジンもありましたが、燃費性能や排出ガスの問題があり、市販車への採用はありません(2013年4月現在)。レシプロエンジンは、燃焼形態により2サイクルと4サイクルエンジンに分かれますが、現在のクルマは4サイクルのレシプロエンジンを搭載しています。
ハイブリッド車のエンジンに組み合わされる内燃機関も4サイクルですが、最近では「スカイアクティブ技術」や「イース技術」のように、ガソリンエンジン単体で優れた省燃費性能を実現した「第三のエコカー」と呼ばれる新型車も登場しています。これは、内部の徹底的な低摩擦化や燃焼効率のさらなる向上を実現することで、モーターのアシストなしでもハイブリッド車並みの燃費数値を実現している車両です。また、複雑な仕組みや制御を必要としないために、価格を抑えられるというメリットもあります。
さらに、使用する燃料によってガソリンとディーゼルにエンジンは分類されます。日本の乗用車では依然としてガソリンが主流ですが、ディーゼルエンジンも進化しています。なかでも、ポスト新長期規制をクリアしたエンジンは「クリーンディーゼル」と呼ばれ、排出ガスはガソリンエンジンと遜色がありません。これにはエンジンそのものの燃焼効率向上はもちろんのこと、フィルターで捕集したPM(粒子状物質)を連続的に酸化除去する「連続再生式DPFシステム」や、排出ガスに尿素水を吹き付けることで排出ガス中のNOx(窒素酸化物)を無害な水と窒素に化学反応させる「尿素SCR」といった排ガス後処理技術の革新も大きく貢献しています。
そして、ガソリン、ディーゼルに限らず、4サイクルエンジンではカムシャフトの数や位置によって、SOHC(シングル・オーバー・ヘッド・カムシャフト)とDOHC(ダブル・オーバー・ヘッド・カムシャフト)、OHV(オーバー・ヘッド・バルブ)に分けることができます。
シリンダーの配置による分類では、直列、水平対向、V型などがあります。直列エンジンは、直列6気筒などに代表され、シリンダーが一直線に並んでいるタイプのものです。V型エンジンはシリンダーを左右交互に振り分けて配置したもので、エンジン本体の長さを抑えられるため多気筒エンジンに向いています。水平対向エンジンは、クランクシャフトをはさんで左右に向かい合うようにシリンダーを配したタイプで、エンジン本体の幅は広くなるものの重心が低くなり、振動が少ないというメリットがあります。
2013年01月現在