[Q] 燃料電池車とはどんなクルマですか?

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[A]FCV(燃料電池車)は電気でモーターを回して走るという点で、EV(電気自動車)の一種と言えます。モーターの力だけを駆動力として走行するため、エンジンは搭載していません。

  • FCVとは、水素と酸素の化学反応で起こる電気を動力源にする自動車。
  • EVは外部充電が必要だが、FCVは発電しながらモーターを回して走る。
  • 開発が進むFCVだが、価格や水素ステーションの普及など課題もある。

FCV(燃料電池車)って何? EVとHVとはどこが違いますか?

FCV(燃料電池車)は電気でモーターを回して走るという点で、EV(電気自動車)の一種と言えます。モーターの力だけを駆動力として走行するため、エンジンは搭載していません。エンジンを搭載し、ガソリンとモーターを駆動力として走行するHV(ハイブリッド車)とは異なります。また、EVは搭載しているバッテリーに対して外部から充電を行いますが、FCVはクルマの中で発電をしながらモーターを回して走ります。その点が大きな違いです。EVのように外部から電気を充電する代わりに、FCVは専用のタンクに圧縮した水素を補給します。水素と酸素が化学反応を起こすと、電気と水が発生します。これは理科の時間で習った水の電気分解の逆の化学反応です。ここで生まれた電気はFCVのモーターを駆動させるエネルギー源となり、排出されるのは有害物質を含まない水のみとなります。このようにFCVは走行時においてCO2をはじめとする排出ガスを一切発生させないことから、究極のエコカーであると世界中から注目を集めています。

いつ頃に、いくらくらいで発売されますか? 世界の自動車メーカーの動向は?

現在、FCVは複数の自動車メーカーが走行テストを兼ねながら、政府機関を中心にリース形式で販売されています。これまで一般向けには販売されていませんでしたが、2014年6月、トヨタ自動車がFCVの市販化計画を発表、2014年度中に700万円程度で販売するとしています。他の自動車メーカーでは本田技研工業が2015年に、日産自動車が2017年頃を目安に市販化するとの発表を行なっていることから、FCVはこれから続々と市場へ投入されるとみられています。FCVの実現には長期間にわたる研究と、莫大な開発費用が掛かることから車両本体価格が高額になってしまうことが懸念されていますが、そうした課題を克服するため、日本と海外の自動車メーカーによる共同開発も積極的に進んでいます。たとえばトヨタ自動車は独のBMWと、本田技研工業はアメリカのGMと共同開発を行なうと発表されました。このように新時代のエコカーと言えるFCVですが、車両本体価格以外にも課題が残されています。それはエネルギー源となる水素の充填方法です。水素はガソリンスタンドのような水素ステーションでFCVに充填する方向で開発が進められていますが、現時点では数が足りていません。水素ステーションの普及活動はこれから本格的に行われます。

2014年08月現在

 

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