
[A]大きな違いとして、電解液の補充を不要としたことが挙げられます。
- 電解液の水分蒸発が少ない構造になっていることが大きな違い。
- メンテナンスフリーバッテリーの多くは点検用のインジケーターを備える。
- インジケーターに充電不足や電解液不足が現れるので、定期的な点検は必要。
通常のバッテリーは電解液の量や比重の点検が必須
メンテナンスフリーバッテリーは、通常のバッテリーと比べて、メンテナンスの頻度が少なくなるように設計されたバッテリーです。容器内部の電槽に満たされている電解液(希硫酸)に含まれる水分の蒸発が少ないことが特徴です。
通常のバッテリーは12V仕様の場合、容器内部が6つの電槽に分かれ、それぞれにプラス極板、マイナス極板、両極板の接触を防ぐセパレー夕―があり、電解液で満たされています。このうち電解液に含まれる水分が蒸発して液量が減ると、バッテリーの機能が低下します。
電解液の点検は、ケース側面に記されたUPPER(上)とLOWER(下)のレベルの間に収まっていればOKで、6つある電槽すべてをチェックする必要があります。減っていた場合は、カー用品店などで売っている補充液、もしくは精製水を、バッテリー上部の液口栓を外して足します。
また通常のバッテリーは、電解液用の比重計を使って、比重(硫酸濃度)の点検も必要となります。こちらは常温で比重計の目盛りが1.26~1.28となるのが最適な状態で、1.25未満の場合は充電が必要です。
メンテナンスフリーバッテリーもチェックは欠かせない
メンテナンスフリーバッテリーには、完全密閉型(シールドバッテリーまたはドライバッテリー)と、半密閉型(セミシールドバッテリー)があります。
完全密閉型は極板やセパレーターに電解液をしみこませたり、電解液をゲル化したりしているため、完全に密閉されていて、液口栓やバッテリー内のガスを排気する排気口もありません。横向きに置いても液漏れを起こさないことも特徴です。半密閉型には排気口があり、充電時に発生するガスは排出しますが、水蒸気はバッテリー内で結露させ、電解液に戻す構造になっています。液口栓も存在しますが、シートなどで蓋がされており、シートを外さない限り密閉状態で、補水の必要はありません。
メンテナンスフリーバッテリーの場合、バッテリー液の補充や比重のチェックはできません。ただし、多くは点検用のインジケーターを備えており、そこに充電不足や電解液不足が表示されます。ゆえにメンテナンスフリーといえども、定期的な点検は必要となります。
2025年11月現在


