[A]バッテリーの状態やタイヤの空気圧、ブレーキのききにも注意してください。
- まずはバッテリーの状態を確認。
- 車両メーカーの指定空気圧に調整。
- 走り始めはブレーキの利き具合を確認する。
長く乗らないとバッテリーは自己放電して電圧が下がっていく
自分のバイクに2~3か月ぶりに乗るというとき、まず注意したいことはバッテリーの状態です。長く乗らないとバッテリーは自己放電して電圧が下がっていきます。メインキーを差し込んでイグニッションをONにしたときにメーターが作動してもセルが回らない、あるいは回り方が弱い場合は、いわゆるバッテリー上がりの状態が考えられます。
そんな場合はバッテリーを再充電するか、性能低下が心配であればバッテリーを交換するのが望ましいでしょう。バッテリーの充電はバイクショップやガソリンスタンドなどで頼めます。バッテリーが簡単に取り外せるタイプであれば、バッテリーだけを持っていって作業をしてもらうことが可能です。また、量販店などで入手できる市販の充電器やジャンプスターターがあれば自分で充電することも可能です。また長期間バイクに乗らないときはバッテリーのマイナス端子をターミナルから外しておくと比較的長持ちします。
タイヤの空気圧は何もしなくても減っていくので注意
タイヤの空気圧点検も大切です。タイヤの空気圧は何もしなくても、1か月に約5~10%ほど低下すると言われます。たとえば初期圧が200kPaであれば10~20kPa(約0.1~0.2kgf/㎠)ぐらいずつ減っていきます。これはゴムの分子の間を空気が少しずつ通り抜けていくためで、特にパンクしていなくても数か月後には大幅に空気圧が減っていることもあります。空気圧が減っていることに気付かずにバイクで走行すると、操縦性に悪影響が出て危険です。具体的な症状としては、乗り心地が悪くなってハンドルが重く感じられたり、うまく曲がれなくなったりなどします。また、雨の日などは滑りやすくなる危険もあります。
バイクに久しぶりに乗る場合は、まずタイヤの空気圧が正常かどうかを確認してください。これもバイクショップやガソリンスタンドでも頼めますが、エアゲージを使って自分でこまめにチェックする習慣をつけましょう。そこで大事なのは車両メーカーの指定空気圧を守ること。バイクの場合、指定空気圧の表示はチェーンケースやシート裏などに記載されていることが多いようです。自分で空気を入れている場合は、バイク専用の精度の高いエアゲージを持っているとなお安心です。さらに半年以上など長期間放置しておくとタイヤ自体が劣化している場合もあるので、タイヤ表面に細かいひび割れが入っていないかなど目視で確認し、不安が残る場合はバイクショップなどで相談してください。
ブレーキディスクの錆びやブレーキフルードのエア混入に注意
もうひとつ、ブレーキにも注意してください。長期間乗らないとブレーキディスクやパッドが錆びて初期制動が悪化したり、ブレーキフルードにエアが混入して利きが甘くなったりする場合があります。乗る前にまずレバーを握ってみてタッチを確認し、異常があればメンテナンスが必要になります。
特に雨ざらしなどの保管状態がよくないバイクでは、ブレーキディスクが赤く錆びた状態になっていることがあります。そうなると当然ブレーキの利きも悪くなるので、特に走り始めはディスクの錆びを落とす意味で何回かポンピングを繰り返して利き具合を確認してみてください。また、ブレーキレバーやペダルを操作したときに、フカフカした感触でレバーやペダルが奥に入ってしまう場合はエアの混入が疑われます。
ブレーキは安全に直結する重要保安部品なので普段からチェックする習慣をつけておくことが大切です。もし異常を感じたら迷わず信頼できるバイクショップに相談してください。
2019年02月現在