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[A]自転車でも違反時には罰則があり、事故時は賠償責任を負います。
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- 自転車にも守るべきルールがあり、違反には罰金や罰則が科される。
- 事故を起こし加害者となった場合、損害賠償責任を負う。
- 万が一の備えとして「自転車保険」加入を義務づけている自治体もある。
自転車のルールと違反
自転車は身近で便利な乗り物ですが、道路交通法ではあくまでも軽車両と規定されており、標識があればそれに従うことはもちろんのこと、原則として車道の左側を通行、ながら運転(スマホ・傘さしなど)の禁止・歩行者優先など、自動車と同じように多くのルールがあります。
標識の一例

必ず一時停止して左右(周囲)の安全を確認します。
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歩行者だけが通行できる専用道路です。

自動車の通行を禁止します。
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直ちに止まれる速度で走行すること(自転車も例外ではありません。)。
- 「自転車を除く」という補助標識があれば自転車は対象外
ルールを無視した運転をすれば道路交通法違反となり、それに対する罰金や罰則も定められています。
2020年6月30日に施行された改正道路交通法では自転車の「あおり運転」が危険行為として規定され、執拗にベルを鳴らす、不必要な急ブレーキをかける、逆走するなども摘発の対象となります。15項目ある危険行為について、3年間に2回違反した14歳以上の者は「自転車運転者講習」の受講が義務づけられます。この受講命令に違反した場合は、5万円以下の罰金となります。
危険行為には以下のものがあります。
①信号無視 ②遮断踏切立入り ③指定場所一時不停止等 ④歩道通行時の通行方法違反 ⑤制動装置(ブレーキ)不良自転車運転 ⑥酒酔い運転 ⑦通行禁止違反 ⑧交差点安全進行義務違反等 ⑨歩行者用道路における車両の義務違反(徐行違反) ⑩交差点優先車妨害 ⑪通行区分違反 ⑫環状交差点安全進行義務違反等 ⑬路側帯通行時の歩行者の通行妨害 ⑭安全運転義務違反 ⑮妨害運転(交通の危険のおそれ・著しい交通の危険)自転車の事故について
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交通事故全体に占める自転車が関係する事故割合は約2割(約6万8000件、2020年/警察庁「令和2年中の交通事故の発生状況」)と、依然、高い値で推移しています。事故を起こし自らの過失により他人にケガを負わせた場合は、被害者に対する賠償責任が生じます。事故のなかには1億円近い高額賠償となるケースもあります。日頃からルールを守り、歩行者に配慮した安全運転を心がけることが大切です。
自転車の保険について

自転車にも万が一の事故に備えた保険があることはご存じでしょうか。自転車に関係する事故において、さまざまな補償が担保されています。対人や対物、自損事故などにも幅広く対応するだけでなく、相手との示談交渉や弁護士への依頼費用をカバーしてくれる弁護士費用特約が用意されるなど、自転車に乗る際の安心を得ることができます。
自転車事故の被害者と加害者をともに守るために、自転車保険への加入を義務付ける自治体が増えています。住まいの自治体が義務化しているかどうか、確認してみましょう。
2021年09月現在