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[A]刑事上の責任、行政上の責任、民事上の責任が問われます。
- 刑事上の責任は刑罰を伴い、特定の過失には道交法上の責任も問われる。
- 行政上の責任は刑罰ではないが、免許取消しや停止などの厳しい処分もある。
- 民事上の責任は、金銭により被害者の痛手を回復する損害賠償になることが一般的。
刑法は、重大事故の影響で厳罰化が進んだ
交通事故を起こした当事者には以下の3つの責任が問われます。
- 1.刑事上の責任(例:懲役、禁固、罰金)
- 2.行政上の責任(例:免許の取消、停止など)
- 3.民事上の責任(例:損害賠償)
それぞれの目的は1.社会の法秩序の維持、2.道路交通の安全の確保、3.被害者の被った損害を補償し金銭により現状回復を図る、ということにあります。
刑事上の責任は刑事罰をともないます。かつては、過失により交通事故を起こし、人を死傷させた場合は、業務上過失致死傷罪(刑法211条)に問われ処罰の対象になりました。現在は、自動車運転過失致死傷罪が適用されます(刑法第211条の2)。厳罰化の流れを受けて、罰則は懲役7年以下または罰金100万円以下です。これに加えて、飲酒運転や無免許運転、あおり運転など悪質な運転により人を死傷させた場合は危険運転致死傷罪に当たり、ケガを負わせた場合で15年以下、死亡させた場合は1年以上20年以下の懲役が科せられます。
行政、民事での責任も重い
無免許運転や飲酒運転等の過失がある場合はさらに道路交通法上の責任が問わることになります。行政処分は刑罰ではありませんが、刑事罰同様に厳しい制裁処分です。免許取消し・停止の処分は公安委員会が行政機関として行います。
民事上の責任とは、一般に被害者に対する民事上の損害賠償責任のことです。交通事故を起こして損害を与えたときは、民法709条の不法行為責任や自動車損害賠償保障法に基づき、被害者が被った痛手を金銭に評価し、その支払いによって被害者の損害を回復しようという考え方です。被害者の人身損害のほか、車両の修理費などの物損が対象となります。この損害賠償に関する被害者との交渉は、自動車保険(任意保険)に加入していれば保険会社が示談交渉にあたってくれます。
交通事故に付けられる点数(行政上の責任)
交通事故の種別 | 責任の程度 | |
---|---|---|
重い時 | 軽い時 | |
死亡事故(過失によるもの) | 20点 | 13点 |
重傷事故(治療期間3月以上) | 13点 | 9点 |
重傷事故 (治療期間30日以上3月未満) |
9点 | 6点 |
軽傷事故 (治療期間15日以上30日未満) |
6点 | 4点 |
軽傷事故(治療期間15日未満) | 3点 | 2点 |
建造物損壊事故 |
※事故の原因になった交通違反の点数に上記点数が付加されます
2022年08月現在