[Q]事故でクルマの査定額が下がった。損失分は請求できますか?

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[A]格落ち損の請求が認められるケースはきわめて少ないのが実情です。

  • 事故によって査定額が下がる損害を、「評価損」「格落ち損」という。
  • 格落ち損が発生しても、請求を認められるケースはきわめて少ない。
  • 事故車は縁起が悪いなどの心情的問題もあり、格落ち損額算出は困難。

事故にあったクルマは無事故車に比べて評価が低くなり、査定額が下がる場合があります。この損害を「評価損」または「格落ち損」といいます。修理内容によっては、下取り価格が下がってしまうこともありますから、その損失分も請求したいところです。しかしながら、格落ち損の請求が認められるケースはきわめて少ないのが実情です。

ひとつには、格落ち損の実際の額の算定が困難なことがあげられます。事故車といっても、現在の高度な修理技術により完全に直っているのですから、下取り価格が下がるのは“縁起が悪い”といったいわば心情的な問題も含まれたものです。

実際の判例では、「修理後、原告車に技術上の欠陥(機能的障害が残った、耐用年数が低下したなど)が残存した場合は事故による減価を損害として認められるが、本件はそれを認めるに足りる証拠はないし、また車の買い替えを相当とする場合に該当しないから、原告車については損害として認めることはできない」という判断が出ています。つまり、原則として、修理可能なケースにおいては格落ち損は認められないというわけです。

ただし、判例によっては、一定の条件のもとでその修理費に対して係数を乗じて認定している場合もあり、一律に当てはめることができるような認定基準や認定方法は出てきていません。したがって、それぞれのケースについて個々に判断するしかないのですが、一般的には、やはり格落ち損の請求が認められることは少ないと考えたほうがいいようです。

イラスト:査定額

2013年03月現在

 

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