[A]狭い道路で対向車とすれ違うときには、「すれ違う場所を探す」「早めにクルマを左に寄せる」「運転操作を少なくする」などのポイントがあります。
- 対向車とすれ違う場所を早めに決め、ゆるやかにクルマを左に寄せる。
- 極度に接近してしまう場合は、停車して対向車の通過を待ってもよい。
- 運転席からの見え方で車幅感覚を覚え、鉢植えなど背の低い障害物に注意。
対向車とすれ違うときのコツとは?
交通安全白書(内閣府)では、生活道路を「市街地における車道幅員5.5m未満の道路」と定義しています。住宅街にはセンターラインがない道幅5.5m未満の狭い道路もあり、運転に自信のない人は対向車とのすれ違いで緊張してしまうかもしれません。
狭い道路で対向車とすれ違うときには、「すれ違う場所を探す」「早めにクルマを左に寄せる」「運転操作を少なくする」などのポイントがあります。例えば、路肩に電柱がある場所は、通れる道幅が狭くなっているのですれ違いには向きません。狭い道で対向車が見えたときは、道路を広く使える(すれ違いに適した)場所を素早く探すことが大切です。
すれ違う場所を見つけたら、周囲の安全を確認しながら早めにクルマを左に寄せます。運転操作はできるだけ少なく、ゆるやかに前進しましょう。左へ寄せることができたら、クルマを真っすぐにしておくことが大切です。すれ違い場所の直前で左に寄ると、寄せきれずに車体が斜めになってしまうことがあります。こうなると対向車がすれ違うことが難しくなるので注意しましょう。対向車に近づいたときは、右のドアミラーが接触しないかを確認し、必要ならばドアミラーを畳みます。
対向車と呼吸を合わせ、「そのまま進んでください」「そこで止まってください」などの相手ドライバーの合図を見過ごさないように気をつけましょう。対向車が先にすれ違う場所を見つけ、そこで待っていることもあるからです。すれ違うときに対向車と接触する恐れがあれば、停車して対向車が通り過ぎるのを待ってもよいでしょう。どちらか一方が止まっていれば、クルマ同士が接触する危険が減ります。
事故を防ぐために大切な操作感覚とは?
狭い道路の通過や対向車とすれ違うとき、大切になるのが「車幅感覚」です。狭い道を通るときは、運転席から前方の見え方を覚えておくことをおすすめします。例えば、クルマを左に寄せたいときは、運転席から見て左の白線(車道外側線や路側帯など)の位置に注意します。白線の端がボンネットやダッシュボードの中央付近に見えていれば、左のタイヤはその白線付近を通っていることになり、クルマは左に寄っています。白線がない場合は、側溝や壁の下端などを目安にクルマを左に寄せますが、寄せ過ぎると脱輪や接触の危険があるので状況に応じて対応してください。
駅周辺の商店街などでは、道が狭いうえに歩行者や自転車で混雑している場合があります。商店の店先に看板や商品が置かれていたり、路肩の電柱が道幅をさらに狭くしている場所もあるでしょう。こういった道路では歩行者や自転車などに細心の注意を払い、危険を感じたら即座に止まれる速度(徐行)が基本となります。看板や電柱を避けるときは、歩行者の動きや自転車の有無などをしっかり確認しましょう。障害物を避けたあとはハンドルを修正し、クルマを道路に対して真っすぐに戻します。
生活道路の路肩には、鉢植えやゴミ収集箱、子ども用の三輪車など、運転席から見えにくい「背の低い障害物」が置かれていることがあります。接近すると死角になって見えなくなるので、早めに障害物を発見し、障害物をイメージしておくとよいでしょう。歩道と車道を分ける縁石にタイヤやホイールをこすってしまうことがあるかもしれません。前方をよく確認するのはもちろん、周囲の状況がわからないときは、クルマから降りて確かめましょう。
2018年10月現在