[A]狭い道路で対向車とすれ違うときには、「すれ違う場所を探す」「早めにクルマを左に寄せる」「車体を道路と平行にする」などのポイントがあります。
- 対向車とすれ違う場所を早めに探し、すみやかにクルマを道路の左側に寄せる。
- 先にすれ違う場所で左に寄せた場合は、停車して対向車の通過を待ってもよい。
- 商店街では歩行者や自転車、住宅地では鉢植えなど背の低い障害物に注意。
対向車とすれ違うときのポイントは?
クルマが通行する車道の幅は、道路構造令で決められています。道路の種類(高速自動車国道など)、計画交通量、地形により違いがあり、車線のない道路では原則として4m、車線のある道路では1車線あたり2.75〜3.5mとなっています。また建築基準法第43条では、住宅を建築するにあたって、幅4m以上の道路に敷地が2m以上接することが定められています。つまり生活道路には、センターラインがない道幅5m未満の狭い道路もあります。
こうした道路では、運転に自信のない人は対向車とのすれ違いで緊張してしまうかもしれません。「すれ違う場所を探す」「早めにクルマを左に寄せる」「車体を道路と平行にする」などのポイントを覚えておきましょう。
最初のポイントでは、たとえば路肩に電柱がある場所は、通れる道幅が狭くなっているので、すれ違いには向きません。狭い道で対向車が見えたときは、道幅が広くすれ違いに適した場所を素早く探すことが大切です。
すれ違う場所を見つけたら、周囲の安全を確認しながら早めにクルマを道路の左側に寄せます。運転操作はできるだけ少なく、ゆっくり前進しましょう。左へ寄せることができたら、クルマを道路に対して真っすぐにしておくことが大切です。すれ違い場所の直前で左に寄ると、寄せきれずに車体が斜めになってしまい、対向車がすれ違うことが難しくなるので注意しましょう。対向車に近づいたときは、右のサイドミラーが接触しないかを確認し、必要であれば通過する瞬間だけミラーを畳みます。
すれ違いの時は、対向車と呼吸を合わせ、「そのまま進んでください」「そこで止まってください」などの相手ドライバーの合図を見過ごさないように気をつけましょう。対向車が先にすれ違う場所を見つけ、そこで待っていることもあるからです。逆に自分が先にすれ違う場所を見つけた場合は、停車して対向車が通り過ぎるのを待ってもよいでしょう。どちらか一方が止まっていれば、クルマ同士が接触する危険が減ります。
事故を防ぐために大切な車両感覚とは?
狭い道路の通過や対向車とすれ違うとき、大切になるのが「車両感覚」です。あらかじめ、運転席から前方の見え方を覚えておきましょう。
クルマを左に寄せたいときは、車両の左側にある、路肩や路側帯との境を示す白線の位置に注意します。交通の邪魔にならない場所で、サイドミラーを使って車両を白線まで寄せた時、ボンネットやダッシュボードのどのあたりに白線が接するかを確認しておきます。その位置を覚えておけば、安心して左に寄せることができます。白線がない場合は、側溝や壁の下端などを目安にクルマを左に寄せますが、寄せ過ぎると脱輪や接触の危険があるので状況に応じて対応してください。
駅周辺の商店街などでは、道が狭いうえに歩行者や自転車で混雑している場合があります。商店の店先に置かれた看板や商品、路肩の電柱が道幅をさらに狭くしている場所もあるでしょう。こういった道路では歩行者や自転車などに細心の注意を払い、危険を感じたら即座に止まれる速度(徐行)が基本となります。障害物を避けたあとはハンドルを修正し、クルマを道路に対して真っすぐに戻します。
生活道路の路肩には、鉢植えやゴミ収集箱など、運転席から見えにくい、背の低い障害物が置かれていることがあります。接近すると死角に入って見えなくなるので、早めに障害物を発見し、位置や大きさをイメージしておくとよいでしょう。歩道と車道を分ける縁石にも注意が必要です。運転席から確認するのはもちろん、周囲の状況がわからないときは、クルマから降りて確かめましょう。
2025年01月現在