ライトライン(芳賀・宇都宮LRT) 交通ルール

お知らせ 栃木

2023年09月15日

ライトラインとは

宇都宮駅東口と芳賀・高根沢工業団地を結ぶLRT

LRT車両(愛称:ライトライン)
LRT(Light Rail Transit / ライト・レール・トランジット)とは、従来の路面電車と比べて快適な乗り心地や高いデザイン性を備え、乗り降りをしやすい低床式の車両を使った次世代型路面電車システムです。道路に設置された専用の軌道(レール)を走行するため、渋滞の影響を受けることなく時間に正確。バスと比べて一度に多くの人数を運べ、環境にも優しい乗り物です。

2023年8月26日(土)、栃木県にLRTである「ライトライン」が開業し、宇都宮駅東口停留所~芳賀・高根沢工業団地停留所を約48分で結んでいます。 平日4時台から24時台・土日祝日5時台から23時台の時間帯に、ピーク時約8分間隔・オフピーク時約12分間隔で、全て普通列車にて運行されています※。運賃は、初乗り運賃150円~400円の対キロ区間制です。

※開業特別ダイヤ。2024年3月のJRダイヤ改正に合わせてダイヤの見直しを行う予定です。

ライトラインに関する交通ルール・注意点(クルマ)

① クルマ用信号機に従う

クルマ用信号機とライトライン用信号機
ライトラインが走っている区間の信号機には、ライトライン用の「黄色の矢印信号」が設置されています。しかし、ドライバーの皆さんはこれまで通りクルマの信号機(信号機と青色の矢印)に従って走行してください。クルマ用の信号機も、左折・直進の矢印と右折矢印が同時に点灯しない「右直分離方式」を採用しており、LRT用の矢印はクルマの左折・直進矢印と同時に点灯します※。クルマ用の右折矢印とライトライン用の矢印が同時に点灯されることはないため、信号を守っている限りは右折した際にライトラインとぶつかることはありません。

※「芳賀町工業団地管理センター前」の交差点では、ライトライン用の左折用矢印信号が単独で点灯します。
一部では、クルマ用信号機が赤の間にライトラインが通過
<ライトライン用の黄色矢印が無い交差点>
下記の交差点では、ライトラインはクルマ用信号機が赤信号の間に、ライトライン専用信号機に従って通行します。ドライバーの皆さんは通常通り信号機に従って通行してください。
・清原中央公園北
・平石中央小学校前停留場 付近
・清陵高校前停留場 付近
・清原地区市民センター前停留場 付近
・グリーンスタジアム前停留場 付近

信号機点灯例

クルマ:進行不可 / ライトライン:進行不可

クルマ:直進・左折可 / ライトライン:進行可

クルマ:右折可 / ライトライン:進行不可

※クルマ:進行不可 / ライトライン:進行可

※芳賀町工業団地管理センター前交差点のみ

② 軌道敷内は通行禁止

軌道敷内は原則通行不可
ライトラインの走行区間では、ライトラインの走る軌道敷(線路部分)はライトライン専用です。他地域の路面電車と異なり、クルマで軌道敷内を通行することはできません。ライトラインと接触する恐れがあり非常に危険なため、クルマやバイクで軌道敷内を通行することは絶対におやめください。
ただし、以下の場合は軌道敷内を通行することができます。

【軌道敷内を通行できるケース】
①右左折、直進、Uターン時に軌道敷を横切る場合
②危険防止のためにやむを得ない場合

①右左折、直進、Uターン時に軌道敷を横切る場合

交差点を右左折、直進、Uターンする際は軌道敷を横切ることができます。軌道敷内で停車することが無いよう、進行先の状況を確認して横切りましょう。

②危険防止のためにやむを得ない場合

工事や倒木で道幅に十分な広さが無く通行できないなど、やむを得ない場合には軌道敷内を通行することができます。

軌道敷内に進入する場合は必ず安全確認

やむを得ず軌道敷内へ進入する際は、必ずミラーと目視で周囲にライトラインがいないか確認してください。ライトラインが接近している場合、一時停止して通過を待ちましょう。

※標識で軌道内通行可と指定されている場合は軌道敷内を通行できますが、ライトラインの走行区間には存在しません。

③ 右左折時の注意点

軌道敷が道路中央にある区間

停留場へ出入りする歩行者に注意

停留場のある交差点で右左折する場合は、歩道からの歩行者だけでなく停留場から出てくる歩行者にも注意しましょう。

右折時は軌道敷手前で停止

右折時は、歩行者や周囲のクルマなど確認事項が多くなります。対向車や歩行者を待つ際は無理をせず、軌道敷手前で停止するようにしましょう。

右折時は死角に入った交通島への接触に注意

右折する際、交通島※がピラーの死角に入って見えなくなる場合があります。接触しないように注意し、誘導の白線がある場合はそれに沿って右折しましょう。

※停留場がある交差点に設置される、自動車の進入を防止するための構造物。

停留場のある交差点を曲がる際の危険を予想しよう!

危険予知トレーニング 路面電車編にて、停留場のある交差点を曲がる際に起りうる危険を紹介しています。動画で「安全に」どんな危険が起きるのかをぜひ体験してみてください。ライトラインでも同様の危険が起きる可能性がありますので、停留場のある交差点を通過する際には十分に注意をしましょう。

軌道敷が道路脇にある区間

信号機の無い箇所で軌道敷を横切る時は周囲を確認
ライトラインの軌道敷が道路中央部ではなく道路脇に敷かれている区間があります。この区間で軌道敷を通過する際、クルマ用の信号機がある場合には信号に従って走行します。
信号機が設置されていない一部の場所では「接近表示器※」が設置されています。通常の鉄道と異なり、道路と軌道敷の交差箇所には「遮断機」が設置されていません。接近表示器でライトラインが近づいてきていないかを確認し、一時停止の標識がある場合は必ず一時停止をして、目視で安全を確認したうえで通行してください。
特に、右左折して軌道敷を渡る場合、斜め後方から接近してきているライトラインに気づきにくい可能性がありますので注意が必要です。

ライトラインの接近を音声・文字・光で知らせる機械。詳細はページ下部をご覧ください。

④ 軌道敷内・停留場付近は駐停車禁止

駐停車禁止場所 イメージ
軌道敷内や停留場周辺など、以下の場所では法律によって駐停車が禁止されています。路上駐車や送迎待ちなどをしないようにしてください。

【駐停車が禁止されている場所】
・停留場の左側
・停留場の端から10m以内
・軌道敷内

⑤ 接近表示器で安全を確認

接近表示器
ライトラインには、通常の鉄道のような遮断機のある踏切は存在しません。代わりに、以下のような場所には接近表示器が設置されています。
接近表示器には「LED回転灯」「スピーカー」「ディスプレイ」が備わっており、光・音声・文字でライトラインの接近を知らせます。ライトラインが接近するとLED回転灯が点滅し、ブザー音とアナウンスで接近を知らせ、あわせてディスプレイには「電車が来ます」という表示と、どちらからライトラインが接近してくるかを示す矢印が表示されます。接近表示器作動中は絶対に軌道敷を横断しないでください。
また、信号機や接近表示器がない場所での軌道敷の横断は大変危険ですのでおやめください。

【接近表示器設置箇所】
・道路と軌道敷が交差する場所
・信号機のない停留場
・軌道敷の横断場所
※ルート全域に16箇所存在。

⑥ その他

<冬期は道路の凍結にも注意>

LRTの併用軌道区間は市街地がメインですが、日陰や陸橋などでは車道が凍結する恐れもあります。状況によっては、凍結によるスリップで軌道敷内にクルマが進入してしまう可能性、万が一積雪した場合は道路と軌道敷の境目が分かりにくくなり、誤って軌道敷内に進入してしまう可能性も考えられます。LRTはクルマよりも停止距離が長くすぐには止まることができません。事故を起こしてLRTや他のクルマ・人などを巻き込むことの無いよう、凍結時は特に気を付けて運転しましょう。

LRTに関する交通ルール・注意点(歩行者・自転車)

① 軌道敷を渡る際の注意点

軌道敷を徒歩や自転車で渡る際には、以下のことに気を付けながら十分注意して渡りましょう。また、必ず信号機に従い、無い場合は接近表示器で安全を確認してから渡ってください。

【軌道敷を渡るときの注意点】
・軌道敷内で立ち止まらない。
・軌道敷をななめに渡らない。
・スリップに注意。
・交通島に注意。

立ち止まらない

軌道敷内で立ち止まるのは危険なのでやめてください。また、歩行者や自転車もクルマ同様に軌道敷内は進入禁止となります。

ななめに渡らない

軌道敷を斜めに渡ると、自転車やベビーカー、車いすなどの車輪がレールの溝にはまってしまう可能性があります。線路に対して直角に渡りましょう。

スリップに注意

レールは金属でできているため、雨などで濡れると滑りやすくなります。レールが濡れている場合は転倒しないよう十分注意して通行してください。

交通島に注意

停留場のある交差点には交通島が設置されています。自転車で通行する際には、交通島に接触しないように注意しましょう。

交通ルールを守って安全にライトラインと共存しよう!

路面電車として国内で75年ぶりに新規開業した「ライトライン」。道路上に軌道が敷かれているという性質上、道路空間をクルマなどと共有するため、ライトラインというのはクルマの運転と切っても切り離せない存在です。しかしライトラインは、クルマよりも急には止まれない、左右に危険を避けることができないなど、その特性からどうしてもクルマ側が注意する必要があります。ライトラインに関する交通ルールをしっかり理解し、事故が起きないよう安全運転を心がけましょう。

ライトラインの乗り方・運賃・路線図などはこちら