タイヤチェーンは駆動輪に装着を!誤った装着で登坂や旋回性能を検証

ニュースリリース

本部広報2018-44
2018年12月14日

JAF(一般社団法人日本自動車連盟 会長 矢代隆義)は、雪道(圧雪路※1)における「タイヤチェーンの装着の違いによる登坂・旋回性能の比較検証」を行い、その結果を12月14日(金)よりホームページに公開しました。

タイヤチェーンは駆動輪への装着が鉄則ですが、誤って駆動輪以外に装着してしまうケースがあることから、装着するタイヤの位置の違いでどのような影響を及ぼすのか、前輪駆動のテスト車※2を用いて2つの実験(路面はいずれも圧雪路)を行いました。

  • 1 圧雪路とは、雪が踏み固められた状態の路面。
  • 2 タイヤチェーン(非金属タイプ)はノーマルタイヤに装着(ともに新品)。
今回のテスト車の場合、前輪(駆動輪)に装着が正しい状態(写真左)/後輪(非駆動輪)に装着は誤った状態(写真右)

登坂テスト

勾配12%の坂道を上りきれるのかを検証しました。

○タイヤチェーンを非駆動輪に装着した場合は、坂道を上りきれなかった!
タイヤチェーンを前輪(駆動輪)に装着した場合は、チェーンが雪面をしっかりグリップし、スリップすることなく勾配12%の坂道を上りきることができました。一方で、後輪(非駆動輪)に装着した場合は、坂道の途中でタイヤがスリップしてしまい、上りきれませんでした。

チェーンの装着位置の違いで登坂の走行可否を検証(左)/後輪(非駆動輪)に装着した場合は、スリップしてしまった(右)

旋回テスト

旋回路(R=6m)に30km/hで進入し、パイロンに沿って曲がることができるかを検証しました。

○タイヤチェーンを非駆動輪に装着した場合は、走行ラインが外側に大きく膨らんだ!
タイヤチェーンを前輪(駆動輪)に装着した場合は、ドライバーのハンドル操作に合わせて車の向きが変わり、パイロンに沿って曲がることができました。一方で、後輪(非駆動輪)に装着した場合は、ハンドルを左に切っても操舵輪である前輪が滑ってしまい、走行ラインは外側に大きく膨らんでしまいました。

チェーンの装着位置の違いで旋回性能を検証(左)/登坂テスト(勾配9%と20%)の結果(右)

チェーンの装着位置の違いで旋回性能を検証
装着が正しい状態(写真左)と比べて誤った状態(写真右)は大きく膨らんでしまっていることが分かる

参考:ブレーキテスト

登坂と旋回テストに加え、参考までに平坦路で、40km/hから急ブレーキ※3を踏み、停止するまでの制動距離を計測器で測定しました。

※3 急ブレーキ時はABSが作動。

画像

○チェーンの誤装着で制動距離も延びた!
前輪駆動車だと、タイヤチェーンを後輪(非駆動輪)に装着した場合は、前輪(駆動輪)に装着した場合と比べて、約7mも制動距離が延びました。

ブレーキの際は前輪に荷重がかかり、前輪の制動力が重要になるため、特に誤装着の影響が大きくなったと思われます。

以上のテストから、タイヤチェーンは確実に駆動輪に装着しないと坂道を上れないだけでなく、カーブで対向車線に飛び出すなど、重大事故につながる可能性があります。
タイヤチェーンの装着位置を車の取扱説明書で確認しておくことに加え、事前に装着する練習もしておきましょう。

12月10日(月)、国土交通省より「大雪時の道路交通の確保に向けた取り組みについて(チェーン規制の検討状況)」が発表されました。今までよりタイヤチェーンを使用する場面が増えることも考えられます。急な降雪の可能性もありますので、常にタイヤチェーンを車内に備えておくよう心がけましょう。

▼テスト結果:JAFユーザーテスト

[動画編]
http://movie.jaf.or.jp/details/225.html

[資料編]
http://www.jaf.or.jp/eco-safety/safety/usertest/snow/detail2.htm

[練習しておきましょう。タイヤチェーンの付け方]
http://movie.jaf.or.jp/details/112.html

▼参考

国土交通省「大雪時の道路交通の確保に向けた取り組みについて(チェーン規制の検討状況)」 http://www.mlit.go.jp/common/001264475.pdf