後席シートベルト非着用時の危険性について〜自動車の衝突実験結果をホームページに公開〜

ニュースリリース

本部広報2017-11
2017年05月16日

JAF(一般社団法人日本自動車連盟 会長 矢代隆義)は、後部座席(以下、後席)でのシートベルト着用有無による衝突実験を行い、その結果を5月16日よりホームページに公開しました。

後席でのシートベルト着用は2008年に義務化されたものの、一般道路における後席のシートベルト着用率は36%と未だに低い状況です(着用率は、2016年の警察庁とJAF合同調査による)。

そこで、座席にダミー人形(以下、ダミー)を乗せた車をバリア(障壁)に衝突させ、ダミーの挙動と頭部傷害基準値(HIC※1)を計測。後席でシートベルトを着用する重要性を検証しました。

シートベルトを着用していない後席ダミーがシートごと運転席ダミーを押しつぶした

シートベルトを着用していない後席ダミーがシートごと運転席ダミーを押しつぶした

前方に投げ出された後席ダミー
前方に投げ出された後席ダミー

実験結果は、シートベルトを着用していない後席ダミーが前方に投げ出され、運転席のヘッドレストに頭を打ち付け、さらにシートごと運転席ダミーを押しつぶしました。

その際のシートベルトを着用していない後席ダミーのHIC※1は2192まで上昇し、シートごと押しつぶされた運転席ダミーのHICも1171と高くなりました※2。一方、シートベルトを着用していたダミーは、シートベルトで上体をしっかりと拘束されていたため、投げ出されることはありませんでした。

後席でシートベルトを着用しないと、本人が死亡や重傷につながる致命的な頭部損傷を負う可能性が高いだけでなく同乗者にも衝突して致命傷を負わせる危険性がありますので、一般道路でも後席で必ずシートベルトを着用することが重要です。運転者は、前席だけでなく後席に乗者する方にも必ずシートベルトの着用を促すようにしてください。

近年、車の安全性能は向上していますが、乗員がきちんと安全対策をしていなければその機能を100%発揮することはできません。JAFでは、乗車した際の安全対策の一つとして、後席でもシートベルト着用するよう強く呼びかけています。

  • 1 HIC:衝突や転倒による衝撃が脳に及ぼす影響度を示す目安。
  • 2 HICが1000を超えると、頭部に重大な損傷が発生する可能性があります。更に、HICが2000を超えると、死亡や重傷につながる致命的な頭部損傷を負う可能性が高くなります。

実験詳細について

実験結果
前方に投げ出された後席ダミー
内容
車の前面全体をバリア(障壁)に衝突させる方法(フルラップ前面衝突試験)で、後席でシートベルトを着用する重要性を検証した。
方法
車の前席及び後席にダミーを各2体乗せ、後席運転席側のダミーのみシートベルト非着用とし、速度は55km/hで衝突した時のダミーの挙動と頭部傷害基準値を計測した。
結果
シートベルトを着用していない後席ダミーは前方に投げ出されました。さらに運転席のヘッドレストに頭を強く打ちつけ、シートベルトをしている運転席ダミーを押しつぶしました。運転席ダミーは後方から押しつぶされてしまったことで、膨らんだエアバックとの間に挟みこまれてしまいました。
この時の後席ダミーの頭部傷害基準値は2192と、死亡や重傷につながる致命的な頭部損傷を負う可能性が高いことがわかりました。また押しつぶされた運転席ダミーは1171と、死につながらなくとも頭部に重大な損傷が発生する可能性が高く、シートベルト着用の重要性が明らかとなりました。
一方、シートベルトを着用している後席ダミーはしっかりと固定され、前方に投げ出されることはありませんでした。
グラフ図

▽実験の詳細や動画は以下よりご確認ください。