
- 空気圧不足のタイヤで高速走行を続けると、発熱し破裂の危険がある。
- バースト後は挙動が乱れるが、しっかりハンドルを保持して減速する。
- 停車後はスペアタイヤに交換するか、JAFロードサービスに救援依頼。

[A]空気圧不足のままで長期間タイヤを使い続ければ、高速道路以外でもバーストする可能性があります。
空気圧不足がタイヤのバーストにつながる

タイヤトラブルのなかでも、タイヤが破裂するという激しい現象をともなうのがバーストです。とくに高速道路において発生しやすいタイヤトラブルであり、JAFのロードサービスでも、救援件数で上位を占めるのが「タイヤのパンク(バースト含む)」です。
バーストの主な原因は、タイヤの空気圧不足です。空気圧が不足したタイヤの状態で高速走行を続けると、たわんで変形が大きくなり、タイヤの側面が波打つ「スタンディングウェーブ現象」が起き、タイヤが発熱します。その結果、タイヤ内部の構造が損傷し、破裂する危険が高くなります。
JAFのユーザーテスト(※)でも、適正空気圧の半分に設定したタイヤは200km/hで「スタンディングウェーブ現象」が発生し、210km/hで波打ちが激しくなりバーストが発生しました。バースト直前のタイヤの表面温度は110℃まで上昇しています。
その一方で、適正空気圧に設定したタイヤは同じ210km/hでもバーストは発生しませんでした。(タイヤの表面温度は90℃程度)
※実験上、現実的な速度ではありませんが、短時間でバーストを再現するためです。
空気圧不足のままで長期間タイヤを使い続ければ、法定速度内でもバーストする可能性があります。とくに偏平率の低いタイヤは目視だけで空気圧が不足しているかどうか判断しにくいので、給油時など定期的に空気圧を確認しましょう。
走行中にバーストした場合はどうなりますか?

走行中にタイヤがバーストした場合、クルマの挙動が変化したり、異常な振動がハンドルに伝わってきたりするのですぐに分かります。この時、慌てて急ハンドルや急ブレーキをかけるとクルマの挙動が不安定になり大変危険です。
走行中のバーストを再現したJAFのユーザーテストでは、バーストが発生したあと、直進時はブレーキを踏んでハンドルをしっかり保持していれば、ほとんど進路を乱すことなく停止できましたが、カーブの場合はハンドルを取られ、進行方向よりも外側にふくらんで、曲がり切れませんでした。バーストが発生した際は、ハンドルをしっかり保持しながら急な操作をせず、落ち着いてゆっくりとした操作で路肩など安全な場所に停止することが大切です。
バースト発生時は、車の挙動が乱れます。慌てて急ハンドルや急ブレーキをせず、ハンドルをしっかり保持して、減速するようにしましょう。
また、バーストしたタイヤは、修理ができません。スペアタイヤに交換するか、すみやかにJAFのロードサービスを依頼してください。
2016年04月現在