[Q]運転中に竜巻を見かけたらどうしたらいいの?

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[A]気象庁では「いち早くクルマから降り、コンクリート製の頑丈な建物の影に身を隠す」という避難方法を推奨しています。

  • クルマの横転や家屋の倒壊など、竜巻は甚大な被害をもたらす。
  • 竜巻の兆候を確認したらクルマを降り、頑丈な建物に避難する。
  • 車内にとどまる場合は、前かがみの姿勢で飛散物から身を守る。

竜巻はどんなときに発生するの?

竜巻はどんなときに発生するの?

台風や低気圧、寒冷前線などにともない、竜巻は季節を問わずに発生しています。とくに積乱雲が発達しやすい夏から秋にかけては発生確認数が増えます。
竜巻とは、発達した積乱雲(せきらんうん)に伴う強い上昇気流によって発生する渦巻き状の激しい突風のことです。渦を巻いて天に向かう姿が竜に似ていることから名づけられました。日本で起きるほとんどの竜巻は地表近くの空気が回転しているところへ、上昇気流(暖められた空気の下から上に向かう風)が重なることで発生すると考えられています。上昇気流はだいたい積乱雲や台風などと一緒に現れるので、竜巻は夏に多く発生するのです。
平成28年4月から、突風調査などには「日本版改良藤田スケール」(JEFスケール)が気象庁で用いられています。これは建築物などの被害に対応してJEF0からJEF5までの6段階で竜巻の強さを図るもので、被害が大きいほど数字が大きくなります。日本では年間平均で25個ほどの竜巻が発生しており、比較的珍しい気象現象といえるかもしれません。しかし、JEFスケールでは下から2番目の「JEF1」でも「軽自動車や普通自動車(コンパクトカー)が横転する」とあり、ひとたび発生すると甚大な被害をもたらします。
運転中に竜巻による影響を遠ざけるためには、こまめな情報収集を心がけましょう。竜巻やダウンバーストなどの激しい突風に対して気象庁が注意を呼びかける「竜巻注意情報」を確認する方法もあります。また、パソコンやスマートフォンなどを使えば、インターネット経由で竜巻が発生する可能性を推定した気象庁の「竜巻発生確度ナウキャスト」などを見ることもできます。ほぼリアルタイムの情報を入手できるので、積乱雲が発生したときなどにチェックするとよいでしょう。

竜巻に遭遇したときの対処方法とは?

竜巻に遭遇したときの対処方法とは?

竜巻は予測が難しいといわれますが、前兆現象で発生を推測することもできます。「黒い雲が近づき周囲が暗くなる」「雷光や雷鳴が発生している」「ヒヤッとした冷たい風が吹く」「大粒の雨や雹が降り出す」などの兆候があれば、竜巻を発生させるような積乱雲が近づいている可能性があります。また、竜巻に遭遇した人は「雲の底から地上に伸びる漏斗状の雲を見た」「飛散物が筒状に舞い上がるのを見た」「ゴーという音がした」などを体験し、気圧の変化で耳に異常を感じることもあります。気象庁から竜巻注意情報が発表された場合は、まず周囲の空の状況に注意を払ってください。こういった兆候は運転しているときでも察知できるので、見逃さないようにしましょう。
運転中に竜巻が接近した(あるいは積乱雲が近づく兆候が確認された)場合は、気象庁では「いち早くクルマから降り、コンクリート製の頑丈な建物の影に身を隠す」という避難方法を推奨しています。竜巻の進行方向の反対だからといって、むやみにクルマで逃げるのは危険です。竜巻の大きさは数十mから数百mに達し、移動速度は通常で40~50㎞/hといわれます。そのうえ蛇行や反転を繰り返すなど複雑な動きをするので、竜巻の進路とは逆の方向が必ずしも安全とはいえないからです。
頑丈な建物への避難が間に合わない、あるいは飛散物が多くて屋外へ出るのが危険なときは、車内で竜巻をやり過ごすことも考えられます。その場合はクルマを路肩に止め、頭を窓の下に下げるように前かがみになり、飛散物から身を守るために手で頭を覆いましょう(風工学会)。なお、竜巻が通過した後は気象情報に注意し、竜巻注意情報が解除されるまで安全な場所から離れないでください。周囲で被害が発生しているときは、消防や警察に連絡しましょう。

2016年06月現在

 

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