
[A]火山灰が降っているときや降った後は、できるだけ運転は避けましょう。

- 降灰によって横断歩道などが見えにくく路面は滑りやすくなる。
- 降灰量や走行距離でもエンジンオイルなどの交換時期が異なる。
- 「降灰予報」をテレビなどで確認して運転の目安にする。
火山灰への備えは意識改革と情報収集

火山噴火への認識には地域性があり、桜島や阿蘇山などの頻繁に噴煙を上げている火山が身近にある地域の人々は噴火への警戒心が高いと思われます。しかし、近畿や中国地方を除いて日本にはほぼ全国に活火山が点在し、火山から近い距離に都市部や観光地があるのも特徴といえます。
噴火によって引き起こされる災害には噴石の落下や火砕流(かさいりゅう)などが知られています。また、クルマの運転を含めた日常生活に大きな影響を及ぼすのが, 広範囲に降る火山灰(降灰/こうはい)です。
火山灰とは、噴火によって噴出する直径2㎜以下の固形物のことです。小さな粒子なので風に乗って遠くまで届き、広い範囲で降り積もります。降灰対策に役立てるため、気象庁は火山灰が降る地域や量などの情報を伝える「降灰予報」を運用しています。
積もる厚さによって降灰量は「多量(1㎜以上)」「やや多量(0.1~1㎜)」「少量(0.1㎜未満)」の3段階で分かりやすく表現されています。クルマの運転に関しては、「多量」ならば「運転を控える」、「やや多量」で「徐行運転を行う」と行動の目安も降灰予報では設定しています。
降灰予報は気象庁のウェブサイト内で発表されるほか、テレビやラジオなどでも速報されます。また、噴火の可能性が高まった火山の情報や噴石の落下範囲なども速報されるので、事前の準備にも役立ちます。
降灰地域の運転とメンテナンス方法とは?

降灰は道路の視界を悪化させ、交通の妨げになります。わずか0.5㎜の厚さで積もっても、センターラインや横断歩道が見えにくくなり、路面は滑りやすくなります。火山灰が雨を含むと電線に付着し、その重さで電線が切れたり、漏電の原因にもなります。また、停電によって信号機や踏切が作動しなくなる可能性もあります。また、クルマの走行によって火山灰が舞い上がり、歩行者に不快感や健康被害を与えるかもしれません。火山灰が降っているときや降った後は、できるだけ運転は避けましょう。
緊急時などでクルマを運転する場合は、周囲の状況に配慮しながら慎重な運転を心がけてください。降灰によって周囲の見通しが悪いときは、昼間でも積極的にヘッドライトを点けて徐行しましょう。火山灰には硬いガラス質の物質が含まれるので、フロントガラスの火山灰を払い取るつもりでワイパーを作動させるとガラスを傷つけることがあるので注意が必要です。フロントガラスに積もった火山灰は走行前に払い落とし、ウインドウウォッシャー液で火山灰を洗い流しながらワイパーを作動させましょう。
エンジンルーム内には火山灰が入り込み、エアフィルターが汚れ、エンジンオイルやオイルフィルターも交換が必要になることもあります。フィルター類が目詰まりを起こすと出力低下などの影響が懸念されます。エンジンオイルやフィルター類は降灰量や走行距離によっても交換時期が異なるので、整備工場やディーラーで早めに点検を受けましょう。
2016年05月現在