[Q] クルマを長期保管する際の注意点

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[A]クルマの長期保管はそれぞれのクルマに応じた適切な方法を採ることが肝心です。

  • 期間や環境で保管方法は異なり、クルマの状態に応じて適切に検討。
  • 再始動時はタイヤの変形やひび割れ、エンジンオイル量などに注意。
  • 長期保管の仕方や再始動時は、販売店で安全な方法を確認後に実行。

長期保管にはさまざまなトラブルが潜む

海外赴任や予期せぬ入院などによって、長期間愛車を動かせない場合があります。その期間を1カ月から数カ月と仮定すると、どんなことに注意してクルマを保管すればよいのでしょうか?クルマは走ることを前提に設計されていて、長い間クルマを動かさないと、さまざまなトラブルが発生する可能性があります。そのため、正しい保管方法やトラブルが起きたときの対処法を身に付けておくことが大切です。
保管する環境や期間、クルマのコンディション(年式、走行距離、整備状況など)によって、クルマに及ぼす影響は異なります。例えば、屋根のある車庫と屋外に放置する場合では、クルマの傷み具合に差が出てきます。つまり、クルマの長期保管はそれぞれのクルマに応じた適切な方法を採ることが肝心です。

タイヤの変形やオイルの変質に注意

クルマを長く動かさないと、タイヤの空気が抜けてしまうことがあり、空気が抜けたことによる変形やひび割れが起こる可能性があります。場合によってはタイヤの性能を維持できない状況になっているかもしれません。長期保管後は、すべてのタイヤに異常がないかを必ず確認してください。
エンジンオイルに関しては、長期保管後の再始動時のトラブルに気をつけましょう。エンジンをかけない状態が1カ月以上続くと、エンジン内部のオイルはエンジン下部にあるオイルパンに落ちてしまいます。これによってエンジン内部の油膜が失われ、腐食やサビが発生することもあります。その状態のまま、エンジンをかけようとすると、エンジン内部の摩擦の摩擦部分に鉄粉などが直接当たることで、傷が付いたり、潤滑不良による焼き付きを起こします。再始動時にはオイルレベルゲージでエンジンオイルの量や状態を確認し、必要に応じて交換や補充も考えましょう。

もしもバッテリーが上がってしまったら

バッテリーは、絶えず適度な充電状態にあることで良好なエンジン始動性能を維持しています。充電できなくなる状態が長期化すると、バッテリーは劣化してしまいます。
「オーディオやルームライトを使っていないから、バッテリーの電気は減らないだろう」と思いがちですが、クルマを動かしていなくてもカーナビ、時計、コンピュータなどのバックアップ電源として、バッテリーからは常に電気が取り出されています。さらに、蓄えられている電気が時間の経過とともに少しずつ減る構造上の性質(自己放電、あるいは自然放電)もあります。つまり、長期保管時にバッテリーの性能低下は避けられません。
もしもバッテリーが上がってしまったら、ブースターケーブルを使って他のクルマから電気を一時的に分けてもらうことでエンジンを始動させることが可能で、「ジャンピングスタート」とも呼ばれます。ジャンピングスタートには、専用コードのブースターケーブルが必要です。
ジャンピングスタートをはじめる前は、必ずケーブル本体の点検を行ってください。皮膜の破れやケーブルの断線、バッテリー端子をはさむクリップ部分のガタつきなど、異常がないかを確認します。ケーブルの確認が済んだら作業を開始します。作業手順などは、以下のページをご参照ください。

長期保管前、長期保管後の再始動時はディーラー等に相談

「サイドブレーキは引いておかない」「車内には除湿剤を入れておく」など、長期保管時の注意点は多種多様にあります。しかし、大切なことは、できるだけ長期保管後の再始動時にトラブルが起こらないように、安全な方法で保管することです。
個人で保管する場合に必ず実行してほしいのは、保管する前にディーラー等に連絡して適切な方法を確認することです。ディーラーならば愛車の状況・車種に応じた対応が可能になり、安心感も違うでしょう。もちろん、トラブルの起こりやすい再始動時も同様です。必ずディーラー等に相談し、安全を確保したうえでエンジンを再始動させてください。

2015年06月現在

 

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