
[A]バッテリーやウォッシャー液、冷却水の点検と、ディーゼル車は燃料にも注意が必要です

- 寒冷地ではバッテリーへの負担が多く、エンジン始動性が悪化
- 凍結を防ぐため、冷却水やウォッシャー液は目的地の気温に合わせて濃度を調節
- 寒冷地外で給油した軽油は凍結の可能性があるため、寒冷地で給油
寒冷地ではバッテリーへの負担が多く、エンジン始動性が悪化

寒冷地ではバッテリー内部の化学変化が弱まるため、電圧が低下する傾向にあり、スターターモーターを回す力が弱くなります。また、ガソリンエンジンの場合は点火プラグの火花が弱くなり、ガソリン/ディーゼルエンジン問わず、完全に冷え切った状態ではエンジンオイルも冷え、オイルの流動性が悪くなる(潤滑能力が低下する)ため、エンジンの抵抗が増え始動性が悪化します。
バッテリーの性能が低下していると、電圧の低下だけでなくバッテリー液が凍結する可能性もあります。寒冷地に行く前にはディーラーなどで点検を受けると安心です。
凍結を防ぐため、ウォッシャー液と冷却水は目的地の気温に合わせて濃度を調節

・ウインドウウォッシャー液
寒冷地では、溶けた雪が路面の汚れとともに前走車から巻き上げられるため、ウインドウウォッシャーの使用頻度が増えます。そのため、出発前にウォッシャー液の量を確認する必要があります。また、ウォッシャー液は濃度によって凍結温度が変化するので、目的地の外気温に合わせて濃度を調節する必要があります。
ウォッシャー液の濃度が低いと、凍結してしまうだけでなく汚れの拭き取り性能が落ちて肝心な時に視界確保ができなくなる恐れがあります。濃度の低いウォッシャー液が多く入っている状態では、抜き取って補充・調整する必要がありますので、ディーラーや整備工場、カー用品店などで交換したほうがよいでしょう。
・冷却水
冷却液(LLC=ロングライフクーラント)は、寒冷地でも凍結しないよう新車やディーラーでの点検時に調整されています。しかし、冷却液が不足した際に水を補充し濃度が低下すると、寒冷地での駐車中などに冷却液が凍結し、最悪の場合、ラジエーターを破損する恐れがあります。寒冷地に出かける前には、冷却液の量と濃度を確認しておくとよいでしょう。自分で分からないときは無理をせず、整備工場などで点検することをおすすめします。
寒冷地外で給油した軽油は凍結の可能性があるため、寒冷地で給油

軽油は外気温が低くなるとシャーベット状になり、エンジンの始動ができなくなったり停止したりするなど故障の原因になります。
軽油は使用できる外気温によって5種類に分類され、季節や地域によって販売される種類が異なります。そのため、目的地が寒冷地であれば到着時に燃料が半分程度になるように調整し、到着後は速やかに現地の給油所で給油しましょう。なお、フェリーを利用して寒冷地に移動する際にも、到着後に速やかに現地の給油所で給油ができるよう、乗船前の燃料は半分程度にしておきましょう。
・軽油の種類 流動点
JIS特1号 +5℃以下
JIS1号 -2.5℃以下
JIS2号 -7.5℃以下
JIS3号 -20℃以下
JIS特3号 -30℃以下
※流動点:原油や石油製品の低温での流動性を示す指標。
2022年02月現在