[Q]交通事故の発生傾向とは?

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[A]交通事故による負傷者は自動車乗車中が63.0%と最も多くなっています。

  • 高齢者の交通事故は10年前の1.33倍で、重症や死亡の割合が増加。
  • 死亡事故は一般国道で多いが、高速道路は重大事故に繋がりやすい。
  • 飲酒運転は死亡事故の割合が高く、飲酒をしていない場合の9.2倍。

死亡、重症とも高齢者がダントツ(平成23年)

グラフ:死亡、重症とも高齢者、特に65歳以上がダントツ(平成23年)

交通事故による死者数は11年連続して減少を続けており、平成23年では昭和45年のピーク時の3割以下となる4,612人でした。死亡事故発生件数も4,481件と減少し、前年比5.2%減となりました。

全体的に減少傾向にある死亡事故ですが、65歳以上の高齢者の事故においては重傷となったり死亡する割合が高いのが現状です。年齢層別でみた場合、高齢者の交通事故による重傷者は31.2%を占め、死者となると49.0%と全体の半数近くにもおよびます。運転免許保有者が高齢化し相対的に高齢者が増えたこともありますが、高齢者の事故は10年前の1.33倍にもなり、75歳以上になると2.00倍にも増えています。

首都高速の事故発生件数は1kmあたり5件にせまる(平成23年)

表:首都高速の事故発生件数は1kmあたり5件にせまる(平成23年)

死亡事故では一般国道が最も多く3分の1を占めます。また、高速道路は車両の速度が高いため些細な運転ミスが重大事故になりやすく、件数が少ないのにもかかわらず国道の次に死亡事故が多くなっています。

路線ごとの事故発生件数は首都高速、阪神高速、東名高速の順で多く、供用距離当たりでは首都高速、阪神高速、近畿道の順で多くなっています。

意外に多い自転車乗車中の負傷者数

交通事故による負傷者は自動車乗車中が63.0%と最も多くなっています。次に多いのが意外にも自転車の16.7%で、バイクなど二輪車の12.5%よりも多くなっています。自転車によるものは平成16年をピークに減少していますが、自転車の減少率は10年前から2割程度しか減少しておらず、自動車やバイクなどと比べて依然として高くなっています。

自転車乗車中の事故による怪我等は、部位としては脚部であることが多く、頭部損傷は全体の1~2割程度と低めです。しかし、6歳未満の幼児のケースでは頭部損傷が4割以上と高くなっています。小さいお子さんを自転車に同乗させるときは幼児用ヘルメットを着けさせるようにするべきです。

自転車が交通事故を起こす原因は周囲の安全不確認によるものが主です。特に子供の事故の場合は事故原因の4分の3が法令違反によって引き起こされています。

飲酒事故の推移

グラフ:飲酒事故の推移

罰則強化 2002年(H14年)

呼吸中アルコール濃度0.15mg/ℓ以上で酒気帯び運転に改正など。

罰則強化 2007年(H19年)

新たに、車両提供罪、酒類提供罪、同乗罪を施行など。

行政処分の強化 2009年(H21年)

飲酒運転による免許取消で欠格期間を延長。酒気帯び運転でも呼吸中アルコール濃度0.25mg/ℓ以上で免許取消など。

飲酒運転による交通事故は死亡事故になる危険性が高く、飲酒をしていない場合の9.2倍にもなっています。しかし、飲酒運転による交通事故は平成14年以降年々減少しており、この傾向が今後も続いてほしいものです。飲酒による事故が減った理由としては、飲酒運転の危険性に対する関心の高まりや飲酒運転撲滅への社会的気運が高まったことがあるでしょう。さらに平成14年以降からつづく飲酒運転の罰則強化や取締りの強化、行政処分強化などの対策が効果を発揮しました。これらの取り組みにより平成23年は5,029件と10年前の5分の1にまで減少しています。

2014年09月現在

 

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