
[A]視線や意識が狭い範囲に集中し、上下左右を広く認識しなくなるため、信号や一時停止の見落としが多くなるからです。

- 運転中の「ながらスマホ」などによる平成28年中の事故件数は平成23年の約1.6倍に。
- 運転中の「ながらスマホ」は、運転操作に大きな影響を与え、重大な事故を招く危険性が高まる。
- スマホへの2秒間の注視で、時速60㎞走行なら約33.3m空走する。
交通事故全体の件数が減少する中、運転中の「ながらスマホ」による事故は増加
クルマまたはバイクの運転中におけるスマートフォンや携帯電話の使用、いわゆる「ながらスマホ」について、「前を向いているから大丈夫」「ちょっと画面を見るぐらいなら大丈夫」などと考えて、運転中に交通事故を招いているケースがあります。
交通事故全体の件数が減少する中で、運転中の「ながらスマホ」による交通事故は、平成23年に比べて平成28年は約1.6倍に増加しています。中でも画面を見たり操作したりして起きた事故が最も多く、約2.3倍に上っています。次いで、スマホ等を取ったり、置こうとしての動作によって起きた事故が約1.4倍と続いています。
また、「ながらスマホ」による交通事故のうち、死亡事故は平成28年中に27件起きています。

「ながらスマホ」は運転操作に大きな影響を与える
JAFが行ったテストでは、運転中の「ながらスマホ」は、文字や画面を見ることに集中してしまい、 急な飛び出しに反応できずに衝突する危険が高くなったり、赤信号の見落としや対向車線にはみ出すといった危険が発生することが明らかになっています。また、「ハンズフリー装置での通話」も含め、「ながらスマホ」では視線が前方の狭い範囲に集中し、上下左右に配られなくなるため、信号や一時停止を見落とすことが多くなります。このように、運転中にスマホの画面を見たり、スマホを操作することで正しい運転操作はできなくなり、事故を招く恐れが極めて高くなるのです。
参考動画:JAFユーザーテスト 運転中の「ながらスマホ」の危険性
「ながらスマホ」は違反行為です!
また、スマホの画面などを見ていたドライバーが危険を感じるまでの時間は2秒以上という研究結果があります。危険を感じるまでのその2秒間に、クルマは時速40㎞で約22.2m、時速60㎞で約33.3mも空走してしまいます。ドライバーが「危険」と感じたときには手遅れかもしれないのです。
「ちょっとだけなら問題ないだろう」という誤った考えで、画面を見たり電話に出たりすれば、ブレーキや発進のタイミング、ウインカーの遅れなど、運転操作に影響を及ぼす恐れが極めて高く、危険な行為です。また、運転中の「ながらスマホ」は違反行為です。絶対にやめましょう。

2018年01月現在