埼玉考⑨「不老川」

お知らせ 埼玉

2022年01月19日

「不老川」をたどってみました!

「不老川」。現在は「ふろう」川、歴史的には「としとらず」川という二通りの読み方があります。
以前、難読地名シリーズの第三弾(クリックでリンクが開きます)で読み方についてご紹介しました。

さて、難読地名シリーズと埼玉考でご紹介した「垳」地区(クリックでリンクが開きます)と同様、
詳しく調べていたら実際に見てみたくなりました。
不老川は東京都瑞穂町周辺を起点に、埼玉県川越市で新河岸川と合流するまで県内を横断しています。
そこで、起点付近から終点までをたどってみることにしました!


起点付近

不老川の起点は先述のとおり東京都瑞穂町です。
正確には瑞穂町にある山の中が起点のようですが、登山は体力的に厳しいので埼玉との県境を起点としてみます。

都県境です。国道16号の近くです。
向かって右手に埼玉県の「不老川上流浄化施設」の看板が見えます。川幅は1~2メートルほどでしょうか。
この近辺には不老川の石標があったり、都県境標があったりと、
探索の起点にうってつけという感じがしました。
それでは、川を下っていきましょう!

大きな井戸「七曲井」

都県境からしばらく川を下ってくると、左手に大きな穴のようなものが見えてきます。
実はこれ、井戸なんです。七曲井(ななまがりのい)といって、埼玉県の指定史跡になっています。


すり鉢状になっています

看板もあります

井戸というと、1メートル四方ほどの枠で囲まれてポンプや滑車がついたものが思い浮かびますが、
地形や造られた時代によっては七曲井のような井戸も存在します。
地下深く穴を掘るために周りから少しずつ掘っていくんですね。

「としとらず公園」

七曲井からさらに川を下っていくと、左手に公園が見えてきます。
その名も「としとらず公園」。「ふろう」ではなく「としとらず」公園です。

 

「としとらず」公園

川幅が広くなりました

公園は縦長で、川沿いの静かなスペースです。川岸に降りられるようになっていて夏は涼しげです。
このあたりまで来ると川幅はだいぶ広くなります。流れは穏やかです。

不老川と不老橋

としとらず公園を後にして川沿いを進んでいくと、やがて終点のある川越市に入ります。
ここには不老川に架かる、そのものズバリ「不老橋」があります。
不老橋は国道254号線の橋で、交通量はかなり多いです。

不老橋の様子

「ふろうがわ」に架かる「としとらず」橋

さて、不老川に「ふろう」「としとらず」の二通りの読み方があることは先述の通りです。
ここで不老川と不老橋の写真を見ると、「おや?」と思う方がいらっしゃるはず。
実は、この橋の読み方は「としとらず」橋。標識は少し褪せていますがはっきり読めます。
いっぽう、川の読み方はここでは「ふろう」川になっています。FURO GAWAとルビまで振られていますね。
つまり、不老川に架かる不老橋はそれぞれ読み方が違うということ。
珍しいスポットが認定されるテレビ番組に出てきそうです。



そして終点へ

珍スポットの不老橋を後にして、少しだけ進むと不老川下りの旅は終焉です。
不老川は荒川や利根川のように海につながっているわけではなく、同じく埼玉県内を流れる新河岸川へと合流する形となっています。

川越市にある「新扇橋」から、不老川の終点を見ることができます。
向かって左手が不老川です。Vの字に新河岸川と合流しています。
新河岸川は荒川の横を流れながら、最終的に墨田川へつながり東京湾に注ぎます。
合流しても川幅が劇的に広がることはなく、ある程度の川幅のまま埼玉県内を下っていきます。

2つの読みが共存する川

今回は不老川の流れをたどってみました。
川としては「ふろう」ですが、川沿いには「としとらず」の名を冠した施設や設備が見られました。
どちらの読み方も地域に根付いているということでしょうか。

暦のうえではもうすぐ大寒。まだまだ寒く、日照時間が短い日が続きます。
早めのライトオンを心がけ、安全運転をお願いします。