交通安全と健康についてのコラム「認知機能と自動車運転 1」

お知らせ 香川

2020年07月14日

JAF香川支部と香川県立保健医療大学は、医学的な見地による「交通安全と健康についてのコラム」を共同で提供しています。

「認知機能と自動車運転」

文責:香川県立保健医療大学 教授 中村 丈洋

もの忘れをすると、認知症が心配になります。

認知症は認知機能が障害された病態です。今回から数回に亘り、認知機能が自動車運転に及ぼす影響を考えていきます。今回は、認知症が道路交通法という法律上でどのようになっているのかお話しして参ります。

認知機能とは、記憶・理解・判断・論理などの知的機能のことを指します。自動車運転では、特に記憶や判断が求められます。認知症になると、これらが障害されます。認知症は、記憶力の低下だけでなく、判断力も低下するため、自動車運転に多大な影響を与えます。

道路交通法では、認知症の診断を受けた方は自動車運転ができません。平成21年より75歳以上の高齢者の方が免許更新する際には、認知機能検査を受けることになりました。この検査は、以下の3つの項目で記憶力や判断力を評価します。

1. 時間の見当識
2. 手がかり再生
3. 時計描写

判定は以下の3段階になります。
「記憶力・判断力が低い」
「少し低い」
「心配ない」

図1. 免許更新時の認知機能検査の流れ
検査の結果「記憶力・判断力が低い」と判定された方の中で、逆走などの違反があった人のみが医師の診断が義務付けられていました。医師から認知症と診断された場合は、免許取り消しとなります。平成28年からは、「記憶力・判断力が低い」と判定された方全員に、医師の診断が義務付けられました (図1)。

現在は以上のようなシステムになっています。次回は高齢者の免許更新時に行う認知機能検査がどのようなものかについてお話ししたいと思います。

参考資料:警察庁Webサイト https://www.npa.go.jp/

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